疲れた時が理想の走り!?体型で選ぶ効率のいいフォーム

世間一般で言う“正しいランニングフォーム”についてある程度学んだつもりでいた。片っ端からランニングの本をよみ、イベントにも参加。多くの指導者達も取材し、彼らの言葉に耳を傾けた。

そこで出てきた、いいフォームの条件をまとめるとこんな感じになる。


だいたい頭では理解できる。そしてやってみたつもりだけど、それでも怪我をする。また、うまくできなかったり、疲れて持続できなかったりする…。

“いいフォームが自分の体になじまないのはなぜ?”

そんな時に出会ったのが、体型別走法研究家の鈴木清和先生。ご自身も選手時代に怪我に苦しんだ。そんな経験を元に研究&指導を続けたところ、あることに気がつく。体型によって得意な動きやできない動作がある。それから個人の走り方、体つき、怪我のパターンなどを観察&分析し、体型にあった走法を考えついたという。

結局は「人の数だけ、体型も走り方もある」となってしまうのだが、それでは参考にはならない。そこで鈴木先生はあることを目安に人の体型を大きく3つにわけ、それぞれにあった走法を提示している。

    • 胴に比べて足の長いランナーをキリン
    • 短い場合をネコ
    • 同じくらいをシカ

…というユニークな表現で分類している。

だいたい自分がどれかはわかりそうだが、わからない人もいる。因みにわたしは「キリン」と思い込んでいたところ、先生から「シカ」とご指摘!それでも心のどこかでキリンだと思っていたところ・・・いろんな動き、走り方を実践していく内に「シカ」と自覚せざるをえなくなった。

 

そのうちのひとつの簡単なテストがこちら。

【テスト】

 

イスの前に立ち、座ってみよう。そのときの座り方は次の内どれ?

試しにA〜Cまですべての方法でやってみると、面白いことに【これは無理!】というのがでてくる。体型によって、やりやすい動作とやりにくい動作があるのだ。

因みに答えは、、、

テストの方法はいくつかあるので、詳しくは鈴木先生の著書「痛くならない!速く走れる!ランニング3軸理論」で確認してみよう。


では具体的にどんな走り方がよいのか。

blank

A:キリンタイプは、体の中心を前後に通り抜けるピストン軸で走ろう

※脚を骨盤から引き上げ、真下に下げるピストンのような動き

※脚を上げるとき、脇腹を縮め肩が下がる。(反対側の方が上がる)脚と肩の動きが連動。

※着地はフラット。


B:ネコタイプは、左右の股関節を水平に通り抜ける「スイング軸」で走ろう

※スイング軸を中心に脚を大きく前後させる。

※上半身は常に正面を向いたまま。

※着地はかかとから。

C:シカタイプは体の中心を垂直方向に通り抜ける「ツイスト軸」で走ろう

※上半身と下半身を反対方向にひねりながら走る。

※左右の肩を前後にふり、骨盤をひねることで足の動きを導く。

※着地はつま先から入り、次の瞬間足裏全体で押す

 

わからなかったら、すべての走り方をやってみるといいそうだ。明らかに走りやすい、走りにくいが出てくるとのこと。

因みに、一流選手たちもこの走り方で分類できる。自分と似た体型の選手の走り方を観察してみるのもいいだろう。

Aキリンタイプの有名ランナー***福士加代子、千葉真子、村山謙太&紘太、高岡寿也

Bネコタイプの有名ランナー***野口みずき、神野大地、中本健太郎、藤原新

Cシカタイプの有名ランナー***高橋尚子、川内優輝、渋井陽子、谷口浩美

 


本来は、自分にあった軸で走るのが一番楽! もちろんそうでなくても元気があれば走れてしまう。だがこの軸を使わないと走れない時がでてくる。それが、疲れた時。あごが上がったり、下を向いたりしてしまうが、あれは姿勢を変えながら走りやすい本来の軸を使えるようにしているとのこと。

例えば、シカタイプで名前のあがった、公務員ランナーの川内選手。本来ならシカなのでツイスト走法が理想なのだが、彼はレース前半はネコタイプのスイング走法で頑張っている。だが後半疲れてくるとツイスト走法に切り替え、そこから驚異的な伸びを見せるのだ。

このように疲れた時は本来の走りの軸を見つけられるいいチャンス。疲れた自分の走りをじっくり観察してみよう。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

鈴木清和 Kiyokazu Suzuki

体型別走法研究家。駒沢大学駅伝部出身。スポーツマイスターズコアの代表として市民ランナーに怪我のない快適な走りを教える中、メディアやイベントなどでも活躍中。

<テキスト:白滝桂子>