ジョギングは意外と難しい①

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ジョギングは意外と難しい

というと・・・え? 何を言ってるんですか??と思われそうです。たしかに初心者の練習メニューの定番。でも、実はジョギングは、とても奥が深くて難しいものなんです。特に上級者になればなるほど、意味も目的も変わってきます。

フリーペーパー「STEP」時代の原稿のやきなおしになりますが、どうしても、また世に出したい記事でしたので、STEPWEBの大事なスタートで紹介します。

ご協力いただいたのは、バルセロナオリンピック10000m日本代表で、学生や市民ランナーへの指導もされている大崎栄さん。ジョギングを見直すことで、あなたの走り、変わってきますよ・・・。

 

■トップアスリートも年間練習の半分はジョギング

よくマラソンのトップ選手はスピード練習やロング走など、負荷の高いポイント練習ばかりしていると思われていますが、実は年間を通して半分以上がジョギングなんです。その理由は、ジョギングが上手くできなければ次のポイント練習で力が発揮できないから。通常、ポイント練習の後は疲労回復のためのジョギングを行い、次のポイント練習に備えます。

それだけジョギングには、たくさんの目的や意味があるんですね。

例えば疲労を取ることもその一つ。何もしなくても疲れは軽減していきますが、ジョグをすることで能動的に疲労を取り除くことができます。

 

■その日のジョギングの目的をしっかり決めよう

みなさんジョギングをする時、時間や距離、ペースをどうやって決めていますか?

ジョギングにはいくつもの目的があります。前日のポイント練習の負荷が高くて翌日に走るのがつらい場合は、ペースを遅くして疲労を回復させるようなジョグを行います。逆にポイント練習が上手くいって疲労があまり残っていない場合は、体調確認を目的にしたジョグを行うとよいでしょう。それにより、次のポイント練習はどうすべきか見極めることができます。月間走行距離など数字ばかりを目標にしがちですが、もっと自分の体と向き合うためのジョギングを行って欲しいなと思います。近年、市民ランナーの方々の故障が増えているのは、負荷の高いポイント練習を取り入れる機会が増えてきた一方で、日常のジョギングが上手にできていないからではないかと思うんです。わたしもランニングクラブで指導を行っていますが、インターバル練習で無理をさせることは絶対にありません。

ところが次の練習会に参加する時に足を痛めている方々がよくいらっしゃる。つまり、ポイント練習以外のジョギングで無理をしているわけです。故障の原因は、ほぼオーバーワークといえるでしょう。

■初心者は歩くスピードより少しだけ速いくらいで

走り始めたばかりの人は、無理に走らなくてもいいんです。まず5キロ、次に10キロ歩いてみましょう。

その時に時計でペースを計ります。もしキロ10分で10キロを歩くことができたなら、次はキロ9分でゆっくりと走ってみる。筋肉は距離を踏むことで使い方を覚えます。5キロ、10キロ走るからといってタイムトライアルをしてしまう人がいますが、そのやり方ではそれ以上長い距離は走れません。初心者の方ほど、ペース配分が大切です。長く走れるペースを守ることで、距離もどんどん伸ばしていくことが可能になります。人間の体は何度も同じトレーニングを繰り返すことで、徐々に体の負担が減るようにできています。

マラソンは自分の走りきれるペースを知って、それを体に刻み込むことが大事。自分が長く走れるペースをジョギングを通して体に学習させます。

 

■疲労回復に向けて酸素をたっぷり取り込む

スピード練習など負荷の高いポイント練習を行うと、体内の酸素が欠乏します。それを補うのがジョギング。

減ってしまった酸素を体にもう一度蓄えるわけです。酸素は細胞や筋肉の繊維などと結合していますから、体を動かすことで酸素を積極的に取り込み、体内の酸素量を増やしていきます。もちろん、運動をしなくても酸素は取り込んでいるわけですが、入る量が少ないんです。歩くよりも少し速い運動を行うと呼吸数が増えて酸素を取り込みやすくなりますし、体を動かすことで筋肉が血液の循環を促し、細胞まで行き渡りやすくなります。

日常のジョギングで運動強度を調整しながら体内の酸素を貯蓄しているんだ、とイメージしてみてください。

ポイント練習を行っていないランナーの場合は、「今日は少しペースを上げて強度を高くしてみよう」とか「疲れているからペースを下げて走ろう」など、自分で変化をつけてジョギングを行うとよいでしょう。ペースを上げるなら距離を少なめにし、ゆっくり走るのなら距離を増やすようにします。また調子がよかった翌日は必ずペースを落とすようにして、疲労を溜めないように心がけましょう。

 

■自分の体の中のギア数を増やしていく

ランニングはスピードによって歩幅が異なります。ペースが速ければ歩幅は広がり、逆に遅くなれば狭くなる。そのリズムを覚えることもジョギングの目的のひとつ。リズムを覚えこませるということは、自分の体の中のギアが増えていくことになります。

例えば自転車の場合、普通の道路を走るならママチャリよりも5段ギアの自転車の方が楽ですよね。みなさんも、登り坂になったらギアを下げたり、高速になったらギアを上げたり無意識にしているでしょう。ジョギングでも同じようにギア数を増やしたい。ペースを覚えることの重要性はここにあります。ペースが遅ければ歩幅も狭まり、当然ピッチも速くなります。それにより、省エネの動きを体が覚えていきます。

 

ジョギングが意外と難しい②はこちら